お腹が空きました。

社内恋愛、特に上司との恋は周りに喋りにくい。

彼が自分に対して手を抜かないのは自分自身が一番良くわかっているが、周りはそうは思わないだろう。

他の部署ならまた違ったのかな、と紗耶は少し肩を落とした。

「…おっそろしい。じゃあ何?紗耶、付き合ってんのにあんだけ怒られてたの?」

「え、うん。」

この前のミスの事だろうか。

紗耶はミニトマトを口に放り込みながら真顔で頷いた。

あれは恥ずかしながら完全に自分の凡ミスで…。

「あんたMなの?」

「違うって。杉崎さんは仕事とプライベートのスイッチの切り替えがきっちりしてるんだって!」


「どうかなぁ〜。」


牛野がニヤニヤ顔で二人に目配せする。


「あいつ最近ウッキウキしてるじゃん。」

え、と紗耶と由美は顔を見合わせた。

「…してますか、ウキウキ。」

「してるしてる、ウキウキ。」

「えーっ全然わかんない。紗耶、分かった?」

由美が見当もつかないと首を振ってみせる。

紗耶も首を傾げてフライドポテトを口に入れた。





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