お腹が空きました。

「というか、基本的に杉崎さん、楽しそうですよね。」

紗耶はいつもの杉崎を思い出し、軽く言った。

「流石にウキウキまでは行かないですけど。」

そうハハハと笑う紗耶に由美が白い目でぽそりと呟く。


「…がっつり春来てる感じだね。」

「ハハッ。だね〜。」

そんな由美を見て牛野もつられて笑った。










『ちょっと資料室まで来れるか?』


そうメールが来たのは業務終了1時間前だった。

紗耶は首を傾げながら空の巣になっている係長ディスクに目をやる。


カチッと携帯の画面を消し、紗耶はゆっくりと席を立った。

なんだろう?

今日も杉崎邸へ行く予定をしていたのでパタンとオフィスの扉を閉めながら紗耶は不信に思う。

表立って言えない事なら帰ってから言えば良いのに。

紗耶はそっと周りを伺いながら資料室の重い扉を開けた。





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