お腹が空きました。
「お、うまそう。」
鍋の底を覗き込みながらごろごろ入っている普通よりデカい餃子に杉崎は喉を鳴らした。
紗耶は少し暖め直し、器にスープと水餃子をすくってテーブルの上にセッティングする。
「どーぞ、室内家特製水餃子です。ちなみに皮も手作りです!」
「へぇ、確かにこんなにデカい餃子の皮見たことねぇ。」
杉崎はクスクス笑いながら箸を進めた。
紗耶はドキドキしながらその様子を見つめる。
杉崎に手作りを食べてもらうのは初めてだ。
パクッとプルプルの餃子に噛みつき、杉崎はうん、と大きく頷いた。
「ん、うまい。」
「ほんとですか?!」
「皮がもちもちしててめちゃくちゃうまい。粉臭くないし厚い割に半透明にちゃんとなってるし、どうやって作ったんだ?野菜多めであっさりしてるのに肉汁もしっかり出てて、本当美味いな。」
スラスラと感想をいいながら杉崎は素早く分析する。
「野菜と豚肉の比率9:1にするんですよ。ほとんど野菜。その代わりラードを少し入れてコクを出すんです。」
紗耶は母に教えて貰ったレシピをニコニコ嬉しそうに答えた。