お腹が空きました。

「私と別れる前から、付き合って…たの？」


「それは違うっ！」

半場諦めた声で紗耶がこぼすと、良介は
ガタッと椅子を鳴らした。


「あの子とは、紗耶が大学卒業してから出会って…、初めはそんな風な対象に全然みてなかったんだけど…、…紗耶と会う回数がぐっと減ったり、周りの環境が変わったり…。」


「…。」


「それと、ちょっと教授とバトっちゃって…俺一瞬浮いてたんだよね。その時、支えてくれたのはその子で、」


「…知らない。」


「え？」


「そんな事があったとか、」


「だって言ってねぇもん。」


そう言って良介は困ったようにニカッと笑った。


なんで？


その時ゆってくれてもいいのに…


紗耶の表情を見て、良介はちょっと悲しそうに目を細めて呟いた。


「…や、そん時、紗耶もまだ仕事に慣れてなくていっぱいいっぱいみたいだったから…ゆうにゆえなくてさ、…ごめん。」