お腹が空きました。
ああぁぁぁと独り言なんか言いながら、紗耶はひたすら歩いた。
フラフラフラフラ
「あ、明日休みじゃん。」
何しよう。
てか今自分は何をしてるんだろう。
町をあてもなくさまよいながら、「あ、今日はベロベロになるまで飲もっかな。やけ酒。やけ酒の一人酒、なんてね。」とまた自暴自棄な独り言を言った。
40分近く歩いただろうか。
気も落ち着いて来て、そろそろ近くの駅か居酒屋でも探そうかと思った矢先、
「(あ、可愛い…。)」
始めて見るケーキ屋さんを発見した。
赤のギンガムチェックをちょっと変わった感じに基調にした可愛いお店に紗耶はフラフラ近寄っていく。
小さなビルの一階だけ店舗にかまえたそのガラスウィンドウには、宝石のようなケーキが陳列していた。