お腹が空きました。
「んなもん食料に決まってんだろ。ほれ、解散。会計終わったらココ集合。」
杉崎は入り口である足元を指差しながらさっさと店内に消えていった。
紗耶は少しばかりイカツイ背中を見送りながら自分も買い物カゴを掴んでみる。
「(とはいっても、私特に買うものないんだけどなぁ。…あ、でも箱ティッシュ買っとこう。切れそうだったし。)」
自分の部屋のティッシュが朝、残り数枚になっていたことを思い出し、紗耶はのんびり日常品コーナーに向かった。
…
「あ…!」
ラッキー…!
紗耶はグッと小さく拳を作りながらティッシュの棚に近付いた。
“お一人様一品限り 限定50パック
箱ティッシュ×5 税込み150円”
でかでかとかかれた文字に紗耶は興奮する。
なんという幸運!
紗耶は自然と近付く足が早くなった。
近所の店ですら安売りで198円だったりするのに、150円だなんて…っ!
一箱まさかの30円じゃん!やっすぅ!
しかしやはり限定品。
山積みされていたであろう広い棚の上には、あと一パックしか残っていなかった。
「(残りひとつ…っ!)」
紗耶が腕を伸ばしたその時、
ガシ。
「「あ。」」