お腹が空きました。
そうだそうだ!

どこかで見た人だと思ったら、ケーキ屋のお姉さんだ!

瞳がハッキリしていて、笑顔が素敵で綺麗なお姉さんは、しばらくきょとんとした後、ああっ!と声を出した。


「この間の哀愁ただようOLさん!」


あ、哀愁ただよってたんだあの時の私…、と紗耶は微妙な顔をしながらヘラッと笑った。


「えっと、あの、突然すみません、…もしかして杉崎さんのお兄さんのお嫁さんだったりしますか?」







「……ぇ、……えぇ?!」



 








「おっせぇよ………は?!」


とっくの昔に買い物を済ませた杉崎は、イライラしながら振り返った。が、そこには予想もしなかった顔が一つ…


「な…んで、、」


「じゃーん!そこでバッタリ会いましたーっ!」


ピースサインを突き出してニヤリと笑う“お姉さん”に、紗耶もつられてへらへら笑う。








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