お腹が空きました。
そう含んだように微笑んだ後、亜栗は目をキラキラさせ前のめりになって紗耶に質問した。
「ね!紗耶ちゃんはいっちゃんのどんな所が好きになったの?」
「ぇえ?!」
正面から亜栗のキラキラビームを一身に受けながら紗耶は少し後ろに反り返った。
「いつから付き合ってるの?」
「いや、違うんですよっ、本当に杉崎さんとはそんな関係ではなくてですね…っ」
わたわたとビームから逃げる紗耶を亜栗は不思議そうに見つめ返す。
「杉崎さんとは…そのーー…。」
はっ、と、紗耶は先ほどの会話を思い出した。
“…中学入ったらケーキ作りも止めちゃったしね…。”
これは…。
言っていい事なのか…?
なんとなく“杉崎さんから甘いもの貰う予定”とは言いづらく、紗耶は言葉を濁した。
「杉崎さんとは……、ひ、秘密の関係です。」
て、どんな関係なんだーー!
自分で言っておいてなんだが、かなりおかしな響きに紗耶はパニックになった。
「や、やらしーーー!!なんかやらしーーーー!!!!」
「や、お姉さんっ!!違うんですよ!!」
大はしゃぎする亜栗にわたわたと紗耶はさらに慌てる。
「うるせー。…何?ねえちゃん帰ってたの?」