恋……スル?-菅野 聡 編-
「お お待たせしました…梅津です…」



ビクビクとしながら、私はオフィスからお店の方へと入った。


クレームって、どんな強面のオッサンだろう。

いや、むしろヒステリックな若い女だったりして?

変ないちゃもんつけて、高額な慰謝料払えとかならないよねっ

その時は専務、助けてよぉーっ!!




「――――君!
そうだ君だ!これは何のつもりなんだ?」



私の姿を捉えた途端、牙を剥くように言い放ったクレームのお客さん。


さて、どんな強面のオッサンか、はたまたヒステリックな女か…



「…あ」



ドキドキしながら、そっとそのお客さんの方を見て驚いた。


サラサラとキレイな髪をなびかせて、女顔負けの色白な素肌を見せたその人物は、以前専務と一緒に注文の打ち合わせに行った時の上得意客、大沢輝良だったのだ。



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