恋……スル?-菅野 聡 編-
「大沢輝良っ……………さま」
思わず呼び捨てしそうになった口を手で押さえながら、とりあえず“さま”をつけ加えた。
だけど大沢さんはその事は気にしておらず、むしろ持ってきたらしき箱から指輪を取り出すと私に見せつけるように突き出した。
「これは君がデザインしたものだそうじゃないか!
どういう事なんだ?
僕は僕に似合うものを用意してくれと言った筈だ!」
通常はデジタル化した写真を確認してもらってから制作するのだが、確か大沢さんの場合はその写真を見る事なく了承をしたのだ。
上得意って専務が言ってただけあって、それだけうちのアトリエに信頼が置かれているんだろうと思ってたんだけど、やっぱり出来たものを見て気に障る部分があったって事なんだろう。
思わず呼び捨てしそうになった口を手で押さえながら、とりあえず“さま”をつけ加えた。
だけど大沢さんはその事は気にしておらず、むしろ持ってきたらしき箱から指輪を取り出すと私に見せつけるように突き出した。
「これは君がデザインしたものだそうじゃないか!
どういう事なんだ?
僕は僕に似合うものを用意してくれと言った筈だ!」
通常はデジタル化した写真を確認してもらってから制作するのだが、確か大沢さんの場合はその写真を見る事なく了承をしたのだ。
上得意って専務が言ってただけあって、それだけうちのアトリエに信頼が置かれているんだろうと思ってたんだけど、やっぱり出来たものを見て気に障る部分があったって事なんだろう。