複雑な感情、365日。


「った、高橋、センセ!?」


―――きゃあああああああああ

「何あれ何あれ!!??」
「いけない恋!?」
「ちょっ何あの女」
「先生から離れろしっ」
「おいおいヤバくね?」
「見せつけんなよ~!」


周りの騒ぐ声がざわざわと
雑音のように耳に届く。

「あっあの、っあたし平気です!」

そう言い放って
自力で立とうとすると―――

―――ズキッ

「・・・っ」

痛・・・っ!

右足首が軋むように痛い。

その反動でまたよろける。

「だから、」

すると先生があたしの腕を
いきなりつかんだ。

「・・・っちょ!」
「俺につかまってろ」

ちょっとちょっとちょっと!?

あたしの頭は爆発寸前だった。

何で高橋があたしと
密着しているのか。

何であたしの右足首が痛いのか。

何であたしは



―――こいつに触れていると
心臓が早く脈打つのか―――



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