複雑な感情、365日。

「あっあのえっとえと」

嬉しさに飛びつきたくなったのを
抑えつつ、
あたしは先生に近寄った。

「ぐっ偶然ですね!」

「だな」

「何してるんですか?こんな所で」

「待っているんだ」

「誰を・・・?」

「おっまたせー!」

と、
あたしと先生のいた真正面の店から
女の人が飛び出してきた。

誰・・・?この人。

「あらあら、お邪魔だった?」

「いいや、俺の生徒」

「あ、そっか!あっちゃんとこの」

あっちゃん!?
充のあ!?

あだ名呼びの女は高橋の腕をとり
その爆発的な胸を押し付け

「充の母です、よろしくね!」

彼女といわれるようなポーズに
似ても似つかない言葉が
返ってきた。

・・・え?

もう高橋と同じ年くらいに
見えるその人は
あたしの頭をなでた。

・・・はい?
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