複雑な感情、365日。

就任



学校長の長々とした話で
半ばうんざりな入学式になったのは
置いておいて。

教室に戻る途中の廊下。

「高橋先生だって!顔凄くない!?」

「うんうん、6組でよかったー!」

など、
その時の私語は男女とも
担任の高橋先生で持ち切りだった。

女子の一番前を歩いてるあたしに
涼香が駆け寄ってきた。

「高橋センセ、カッコいいね」

やっぱり高橋のか。

「そーだね」

「あれ・・・思わない?」

「言っちゃえばオジサンでしょ?」

「いやいや、
あれは20代前半の顔だね」

顎に手を当てて言う涼香は
多分探偵の真似をしている。

見た目はカッコいいけど
中身ぼろぼろの人だって
いるじゃん。

あたしは中身重視派ですから。

と喋っていると教室に着いた。


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