柚子物語
朝になりガタガタと父親が仕事の準備をする音が聞こえた。
ゆずも学校の支度をするためにゆっくりと起き汚れた自分の体を洗いにシャワーを浴びた。
ゆずがお風呂場から出たらもう人がいるような気配がなく静かな廊下だった。
もう仕事に行ったのかと思ったがそれは勘違いだった。
玄関には父親が倒れているのが目についた。
何事だと思い急いでゆずは駆け寄ったがもう遅かった。
父親は泡を吹きもう冷たくなっていた。
片手にはカラフルな薬を握りしめ父親は亡くなった。
ゆずは泣いた。
こんな親でもゆずにしたらたった1人のお父さんなのだ。
ただ普通に娘として愛してもらいたかった。
ただそれだけなのに…
しばらくすると誰かの足音が玄関の外から聞こえる。
扉の前寸前で足音が止まる。
ぺた…
一軒家に自分1人だけと不安が不安をよびゆずは恐怖で息もできなかった。
だが、数秒後父親は冷たくなっていたはずなのに息を吹き返し起き出した。
ゆずは父親に抱きつき始めて娘として父親に抱きしめられた。