†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ


「廉っ…」




「こうでもしねぇと、お前が違う男の所に行っちまいそうで…」




ーーコンコン




「「!!」」




突然響いたノック音に、ビクッと反応する。




「廉、出ないと…」




「……チッ」




廉は“どうぞ”と低く言った。




ーーガラッ




「おう、元気そうだな」




「岡田くん!」




そこにはお見舞いのお菓子を持った岡田くんがいた。




岡田くんは部屋に入ってくると、廉の前に立つ。




「久しぶりだな、雨宮」




「あぁ…岡田、だったよな?」




岡田くんには記憶を失ってからも、何度か会ってる。




「これ、暇なら食べろよ。まぁ贅肉が付かない程度にな」




岡田くんの冗談に、廉が笑い返す。




「岡田くんは今日休みなの?」




「いや、夕方から交代。夜勤なんだ」




夜間待機の勤務は結構キツイ。




そういえば廉と一緒の日もあったっけ…。



< 142 / 179 >

この作品をシェア

pagetop