†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
「廉っ…」
「こうでもしねぇと、お前が違う男の所に行っちまいそうで…」
ーーコンコン
「「!!」」
突然響いたノック音に、ビクッと反応する。
「廉、出ないと…」
「……チッ」
廉は“どうぞ”と低く言った。
ーーガラッ
「おう、元気そうだな」
「岡田くん!」
そこにはお見舞いのお菓子を持った岡田くんがいた。
岡田くんは部屋に入ってくると、廉の前に立つ。
「久しぶりだな、雨宮」
「あぁ…岡田、だったよな?」
岡田くんには記憶を失ってからも、何度か会ってる。
「これ、暇なら食べろよ。まぁ贅肉が付かない程度にな」
岡田くんの冗談に、廉が笑い返す。
「岡田くんは今日休みなの?」
「いや、夕方から交代。夜勤なんだ」
夜間待機の勤務は結構キツイ。
そういえば廉と一緒の日もあったっけ…。