わたしのピンクの錠剤
殺人事件
朝になると昨日のことが夢のように思えた。
いつもと変わらぬ朝だった。
親父は仕事に出かけ、わたしもちょっと身体がだるいぐらいで、登校前の慌ただしさに追われていた。
テレビは今日の運勢を占い、いつものように殺人事件を伝えた。
ただ、いつもと違うのは、その殺人事件がすぐ近くでおきていた事だった。
テレビカメラは見慣れた公園の今の姿を映し出していた。
画面が被害者の写真に切り替わった。
わたしはおもわず、その写真を指さした。
言葉も出なかった。
ただただ、呆然とその写真を見つめていた。
それは昨日の男だった。