淫らな眠りへの誘い
美桜side

あれから青は私たちの前から消えた・・
もういなくなるつもりでセイくんを通じて自分のことを教えてくれたのだろうか?・・
青もセイくんもいなくなるなんて寂しすぎる・・
私たちは青がきそうなところに餌を置いた。
お腹だけは空かせて欲しくない・・
それぐらいしかできないから・・

セイくんがアメリカに帰る日になった。
私と大ちゃんは空港に見送りに行った。

寂しくて泣く私に
「ただでさえ僕は注目浴びてるのに・・
大地早く慰めてよ・・美桜・・啼くのはベッドの中だけにして・・
大事にしてもらって仲良くね・・
何かあったら二人で話し合ってね・・
話し合うことで誤解がとけることも多いからね
君たちと過ごせてよかった・・
僕も普通の16歳になった気がして楽しかったよ・・
青はどこに行ったの?と聞いた・・
「青は元の野良に戻って桜花を探している・・
会えそうな気がすると言ってね・・」
ふっと私の方を向いて美桜おいでと手招きした

私の耳にそっと口を寄せて・・ささやく・・

「美桜

・・雨の夜は・・淫らになって・・淫らにね・・」

そして・・吸い込まれるような青い眼で私を見る・・
私は魔法にかけられたような気がした・・

「じゃあね」というセイくんの声が遠くに聞こえた・・
「美桜?添島行っちゃうよ・・」と心配そうな大ちゃんの声がした。
私は現実に引き戻された・・
セイくんの最後のいたずら?

そしてそれはセイくんの大ちゃんへのプレゼントだそうだ
セイくんの眼をみて魔法にかかった気がするという
私に大ちゃんは教えてくれた・・





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