幸せまでの距離
その日の夜、リクは眠れなかった。
気分転換できたらメイに連絡するつ もりでいたのに、全然すっきり出来 ないからそれもできなくて……。
傷つけるつもりがなくても傷つけて しまう時は、ある。
リクもそれはよく分かっていた。
『私を殺して』と頼まれメイにナイ フを握らされたあの雨の日、自分の 恵まれた環境や生い立ちがメイの心 を傷つけていたのだと知った。
みんなが寝静まる部屋。
リクは布団の中で何度も寝返りをう ち眠ろうとしてみたが、寝ようと意 識すればするほど頭は冴え、鳴らな いケータイが目についてしまう。
よほど疲れていたのか、ショウマは リクの隣の布団ですやすや寝てい る。
“俺がそばにいると、
今日みたいに思うがままに振る舞う と、
メイを傷つけてしまう日がくるのか な……”
考えたくなかった最悪の未来。
二人の関係が、壊れかけの吊り橋み たいに感じる。
少しの衝撃で綱(つな)が切れて川 に落下しまうのではないか。
自分の言動でメイとの仲を悪化させ てしまうのではないか。
リクの心に闇色の幕が下がった瞬 間、にぎりしめていたケータイのラ ンプが光った。
気分転換できたらメイに連絡するつ もりでいたのに、全然すっきり出来 ないからそれもできなくて……。
傷つけるつもりがなくても傷つけて しまう時は、ある。
リクもそれはよく分かっていた。
『私を殺して』と頼まれメイにナイ フを握らされたあの雨の日、自分の 恵まれた環境や生い立ちがメイの心 を傷つけていたのだと知った。
みんなが寝静まる部屋。
リクは布団の中で何度も寝返りをう ち眠ろうとしてみたが、寝ようと意 識すればするほど頭は冴え、鳴らな いケータイが目についてしまう。
よほど疲れていたのか、ショウマは リクの隣の布団ですやすや寝てい る。
“俺がそばにいると、
今日みたいに思うがままに振る舞う と、
メイを傷つけてしまう日がくるのか な……”
考えたくなかった最悪の未来。
二人の関係が、壊れかけの吊り橋み たいに感じる。
少しの衝撃で綱(つな)が切れて川 に落下しまうのではないか。
自分の言動でメイとの仲を悪化させ てしまうのではないか。
リクの心に闇色の幕が下がった瞬 間、にぎりしめていたケータイのラ ンプが光った。