幸せまでの距離
主婦達は皆、菜月と同世代かそれよ り上の年層の女性ばかりだ。
ミズキは、一度は彼女達の横を通り 過ぎようとしたが、「メイがこの噂 を耳にしたら……」と考えたら、や はり黙っていられなくなった。
生まれた頃から不安定な人間関係の 中で育ったメイに、家庭の安らぎを 知ってほしかった。
大人の汚い部分ばかり見て世の中に 絶望しているメイに、優しい大人も いるのだと教えたかった。
“そのために、私だってやれること をやってみせる!”
ミズキは両足に力を入れると、主婦 達に声をかけた。
「あの……!」
「あら、ミズキちゃん。なぁに ~?」
猫なで声と満面の笑みで応えたの は、噂話好きだと悪評のある50代 の主婦。
《天使のような悪魔の笑顔》とは、 こういう人のこういう対応を表すの だろうと思わずにはいられない。
ミズキは普段通りの話し方を心が け、
「私のことは何と言われてもかまい ません。
でも、メイにだけはそんな目を向け ないであげて下さい。
私達家族は、たしかにメイと血の繋 がりはありません。そのことであな た達を困惑させてしまったかもしれ ませんが、それでもメイは、私達の 大事な家族です。
あと、父は母を裏切るような人じゃ ありません。
それだけは分かって下さい。お願い します。
お話中にすみませんでした」
と、出来るだけトゲのない口調で伝 えるとそっと頭を下げ、その場を後 にした。
メイを守れる人間になりたい。
“昔の――リョウの時と同じ過ちは 繰り返さない……!!”
ミズキは、一度は彼女達の横を通り 過ぎようとしたが、「メイがこの噂 を耳にしたら……」と考えたら、や はり黙っていられなくなった。
生まれた頃から不安定な人間関係の 中で育ったメイに、家庭の安らぎを 知ってほしかった。
大人の汚い部分ばかり見て世の中に 絶望しているメイに、優しい大人も いるのだと教えたかった。
“そのために、私だってやれること をやってみせる!”
ミズキは両足に力を入れると、主婦 達に声をかけた。
「あの……!」
「あら、ミズキちゃん。なぁに ~?」
猫なで声と満面の笑みで応えたの は、噂話好きだと悪評のある50代 の主婦。
《天使のような悪魔の笑顔》とは、 こういう人のこういう対応を表すの だろうと思わずにはいられない。
ミズキは普段通りの話し方を心が け、
「私のことは何と言われてもかまい ません。
でも、メイにだけはそんな目を向け ないであげて下さい。
私達家族は、たしかにメイと血の繋 がりはありません。そのことであな た達を困惑させてしまったかもしれ ませんが、それでもメイは、私達の 大事な家族です。
あと、父は母を裏切るような人じゃ ありません。
それだけは分かって下さい。お願い します。
お話中にすみませんでした」
と、出来るだけトゲのない口調で伝 えるとそっと頭を下げ、その場を後 にした。
メイを守れる人間になりたい。
“昔の――リョウの時と同じ過ちは 繰り返さない……!!”