幸せまでの距離

「トウマってヤツは自分を守るた めにメグルの情報をカナデにあけ 渡した、ってことか……」

メイはつぶやき、ため息をつく。

「最初から変だと思ってた。

好き同士なのに付き合うのを保留 にするとかさ。

メグルの話は、いつ聞いてもしっ くりこなかった」

「メイもやっぱりそう思ってたん だ」

メグルは苦しみを隠すように笑 う。

メイは目を伏せ、

「まあ、付き合うの保留にしてた 点では、私も人のこと言えないか ら」

と、あいまいなまま引きずってい たリクとの関係を口にした。

メグルは顔をこわばらせ、

「……あたしもトウマさんの態度 を見て、心のどこかでおかしい なって思った。

でも、やっぱり最後までトウマさ んのこと信じたかったんだよね。

そうしなきゃ、自分がどんどん嫌 な人間になっちゃいそうで……。 こわかった」

「……うん」

「でも、メイとリク君は違うよ!

あたしとトウマさんはこういう風 になっちゃったけど、メイとリク 君は絶対違う。

付き合うの保留にしてた部分は同 じかもしれない、でも、リク君は メイのこと真剣に好きだよ」

元々その話をしたかったのだと言 うように、メグルの声音はワン トーン下がる。

「メイさ、いなくなる前に、様子 がおかしかったよね?

部屋の物散らかして……。

そのこととリク君のこと、何か関 係あるんじゃない?」

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