幸せまでの距離

メイのことを“知る”努力をしよ う!

リクが決意をかためていると、

「おはよ~……」

ショウマが目を覚ましたようだ。

「ショウマ、おはよ」

リクは起き上がり、元気に朝の挨 拶をする。

寝起きゆえショウマはしばらくぼ んやりしていたが、次第に昨日の ことを思い出すと、リクに同情の まなざしを向け、

「……リク、無理して元気なフリ しなくてもいいって」

「無理なんかしてないよ」

リクは言い切る。

「昨日は心配かけてごめん……。

今まで、俺、間違ってた。

たしかに最初はショックだったけ ど……。メイに振られるの、当た り前だったと思う」

「……リク」

「メイのこと、もうちょっと粘っ てみる。

それでダメなら、その時はその時 に考えるよ。

まだ、あきらめない」

リクのまっすぐな瞳を見ていた ら、ショウマも次第に晴れやかな 顔になり、うなずいた。

「そっか! だよな。まだ諦める の早いし!

作戦会議しなきゃな!!」

ショウマは言うなり、部屋のカー テンを開ける。

薄暗かった室内には真新しい朝日 が差し込み、寝起きの二人の目を 刺激した。

柔らかく、それでいて鮮やかな日 差し。

窓から見えるこの街の景色。

それはまるで、昨夜感じた絶望感 からすくいあげられるようで、安 心できるあたたかさに満ちてい た。

雲ひとつない青空には、リクの背 中を押すかのように、希望の風が 吹いている。
< 277 / 777 >

この作品をシェア

pagetop