幸せまでの距離

ショウマはケータイ片手に伸びを すると、

「メイちゃんのこと考えたいのは 山々だけど、今日も普通に学校あ るわー」

と、げんなりした。

リクもつられるようにケータイで 時間を確認し、

「あー、そうだった!

でも、今日は昼からしか講義入れ てないよ。

良かった。1限からだったらもう 遅刻だよ」

「とりあえず、サクッと用意して 出よ!」

「うん!」

二人は昼の講義に間に合うよう、 ゆったりシャワーや歯磨きを済ま せ、ショウマのアパートを出た。

状況的にも、いまの二人はメイの ことだけに時間を使いたい気分 だったが、本日昼からの講義を受 け持つ教授は厳しい人と有名。

他の友人に代返を頼もうものな ら、単位取得に必要な課題をドッ サリ出されてしまう。



大学の最寄駅にたどり着いた。

二人は、普段より落ち着いた足取 りで進む。

昼からの講義には余裕で間に合い そうだ。

「まだ時間あるし、ちょっと、朝 兼昼飯にしん?」

腹の音を耳にしてヘロヘロになっ ていたショウマは、大学近くのカ フェを指さした。


早朝でもなく、昼食時でもない。

時間的にも客足の少ないカフェに 入り、二人は適当なメニューを選 ぶと、窓際の丸テーブルに座っ た。

窓が開け放たれていたおかげで、 常緑樹の多い表通りから店内に、 澄んだ空気が流れ込んできた。

店内から見渡す街並みは、すっか り春の空気に包まれている。
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