幸せまでの距離
初めて、メグル以外の他人と通じ 合えた衝撃。
今ここにある自分の心境や、カナ デの笑顔。
すぐには信じられなかったけれ ど……。
他人と打ち解けるには、ほんのさ さいなキッカケがあれば充分なの かもしれない。
怒りでもなく、
過去のトラウマでもなく、
悲しみでもなく、
メイの体は震えた。
こういう時にも、人間は震える生 き物だったのだ――。
長年求めて叶わなかった他人との つながり。
メイは嬉しさのあまりショックを 受けたが、それを顔に出すことは なかった。
もうすぐ1限目の授業が終わる。
そしたら、いま教室で授業を受けている 生徒も廊下に出てくるだろう。
メイにつられて立ち上がったカナ デは、ためらいがちに言った。
「あんなに泣いたクセにこんなこ と言いづらいけど、私、本当にト ウマと別れられるのかな……?」
「アンタ次第だよ」
「うん……」