幸せまでの距離

なんて皮肉な話なのだろう。

メイはカナデを哀れんだ。

トウマは、献身的に金銭面の援助 をしてくれたカナデではなく、最近 出会ったばかりのメグルに惹かれ たのだから……。

「あの時、やっぱり助けるんじゃ なかった……」

カナデは、一番初めにトウマの援 助をした日のことを後悔した。

「あれからズルズルと、お金をあ げて受け取られる、って関係が続 いてた。

……やっぱり、お金が絡むと人間 関係っておかしくなるんだね」

テレビや本で、そういう話を見聞 きしてはいたが、こうなってみて 初めて、カナデはそれを実感し た。

「お金をあげてる時点で、トウマ とはすでに対等な関係じゃなかっ た。

私の方が優位になってた。

何しても、許されると思って た……」

そういう関係の中で、トウマとの 恋も壊れていったのかもしれな い。
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