幸せまでの距離

この大学の心理学部に入学した学 生の半分は大学院まで卒業するこ とを目指しているし、臨床心理士 の資格を取るために毎日勉強して いる。

ミズキのように、将来はカウンセ リングの仕事がしたいと願う学生 も多い。

しかし、その反面、臨床心理士の 資格を取っても、就職先が少ない のというのが現状。

ストレス社会と嘆(なげ)かれて いる近年。

昔に比べると、学校や会社にカウ ンセリングルームを設ける地域も 増えているが、それほど多いわけ ではない。

臨床心理士の資格だけで食べてい くのが難しい理由は、公務員の就 職先みたいに、職場数に恵まれて いないからだ。

たとえ希望通りカウンセリングの 仕事に就けても、様々な仕事を掛 け持ちしないと生活できないほど 収入は不安定であるし、患者の対 応に疲れ、精神的に耐えられず辞 めていく人もいる。

大学院に行き、臨床心理士の資格 を得るだけでも難しい。

臨床心理士は近頃人気のある資格 なので、ライバルは多い。

まさに狭き門である。

決して楽な道のりではない。

そういう苦労をしてまで就くべき 仕事なのだろうか?と、疑問視す る学生も出ている。

そういった現実を知って、在学中 に夢を諦め他の企業に就職する者 もいる。
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