テディベアの彼女
つー、と一筋だけ
彼女は涙を流した。
『彼に、あいたいんです。』
だから、お願い。
まっすぐな目で見つめられる。
あぁ、本当に俺はこの目に弱い。
「お前の本当の願い、かなえるチャンスをやろう。
ただし、3日間しか時間はやらない。
その代わりに、」
ごくり、と少女の喉が上下する。
「そのテディベアを使って、
お前に仮だが身体をやろう。」
少女が目を見張る。
「ただし、死んだお前がふらふらと歩けば混乱をもたらす。
見た目をそのままにすることはできない。
それでもいいなら、だが。」
まだ少女は信じていないような顔でいる。
まぁいい。
見てしまえば信じずにはいられなくなる。
「いいか?」
少女が困惑した顔で、それでもはい、と頷いたのを確認した。
その姿に思わず、ふっ…と笑ってしまった。