テディベアの彼女
普通ならここで何笑って…!と怒ってもいいところだが、
私の頭の中には唯一疑問符だけが浮かんでいる状態だったから何も言えず、
呆然としていることしかできなかった。


ひとしきり笑った後、
満足した…というか、落ち着いたのか、
幹斉は未だに座ったままの私に手を差し出して、
私がその手を取ると、
ぐい、と引っ張り立たせてくれた。


「あれはな、門じゃねぇ。
あそこには強い結界が張ってあるんだよ。」


結界…

じゃあ、私は何で入れたんだろう?


「あの結界は人を通し、人ならざるものをはじく。
門が見えなければ中に入れる対象、
門があるように見えたなら、はじかれる対象となる。

が、俺ら一族の許しがあれば話は別だ。」


ってことは、


「お前が全体重をかける瞬間を見計らって、許しの印を結んだんだが…

期待以上の素晴らしいこけ方だったな。」
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