テディベアの彼女
「やめろ、彼女は関係ないだろ。
他人の仕事に口出すな。」
幹斉が有人さんの視線から庇うように一歩前に出て言った。
「ちぇー。つまんないの。
…おじいさんなら今さっき出かけたからいないよ。」
そう言うと私達の方に歩いてきて、
私の横に来たときに小さく
「幹斉は陰陽師だ。油断しない方がいいよ。」
と冷たい声で言って
そのまま門から外にでていってしまった。
―幹斉は陰陽師。
油断しない方がいいよ―…。
「とりあえず、じじいがいないなら、資料室行って報告書を書く。
じじいが来るまでここにいることになるが…いいか?」
不安になって、幹斉を見つめていたけど
一度も視線があわない。
「うん…」
「ごめんな。」
「ううん…」
私達はお互いに無言のまま、
ゆっくりとした足取りで資料室に向かった。