テディベアの彼女
資料室は、…ちょっとした図書館みたいだった。

専門書が多かったけど、
歴史書や家系図、地図など
色々あった。

どれも難しそうなものばかりで
学校すら殆ど行ってない私には理解不能なものだったけれど、
妖怪の本とかは
イラストも載っていたりして楽しかった。



そして今私は、用意された部屋に1人でいる。

幹斉はお風呂に行ってしまったし、
迷子になりそうだから、部屋の外にもでれない。

暇だ。


そういえば、お母さんとお父さんはどうなったんだろう。

私が気付いた時にはもう車と鹿しかいなかったし。

無事、なのだろうか。


会いたい。

会って無事を確かめたい。


でも、きっとそれは叶わない。

気分が落ち込む。

涙まで浮かんできた。


どうしよう、と思った時
不意に扉の向こうに誰かの気配を感じた。

幹斉が、戻ってきたのかもしれない――

そう思って、扉に一本近づいた。



「入っていい?」



有人さんの声がした。
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