テディベアの彼女
一瞬で先ほどの事が思い出される。
怖い。
嫌だ。そう言いたい。
でも、断ってもきっとこの人は…。
「まぁ、断られても入るけどね。」
ほらね、やっぱり。
すっと扉が開く。
「さっきぶりだね。」
エメラルドグリーンの瞳が現れた。
ぎゅっと手を握り締めた。
幹斉はいない。
誰も助けてはくれない。
ここに来る前に見た幹斉の苦い顔を思い出す。
こんな状況を危惧していたのかもしれない。
名前は、りょう。
とりあえず、これだけは忘れないでいよう。
「何の用でしょうか、有人さん。」
内心の怯えを悟られないように、毅然とした態度で話し掛けた。
きっとこの人は、幹斉がいない時を狙ってきてるだろう。
だから、すぐは来ないかもしれない。
それでも。
はやく、はやく帰ってきて。
幹斉――…。