テディベアの彼女
―名前は、一番短い呪。
ふと、そんな言葉が頭に浮かんだ。
そして同時に
私がその時思ったこと。
―新しい名前で縛られるのも悪くない。
今の私は、
"まこと"ではなく
"りょう"という名前で縛られた存在。
そうだ、私は
「私は、良です。」
りょう
そのたった3文字が
私を縛っている太く、心地よい鎖。
「良ちゃん…ね。」
有人さんは納得いっていないみたいだけれど、
私は嘘をついていない。
それがわかったのか、有人さんは何も言わなかった。
そして私の上から退いてくれながら次の質問を投げかけてくる。
「2つ目の質問。君はなんでここにいるの?」
…霊ってこと、バレてるみたいだね。
隠しても無駄みたい。
「会いたい人がいるんです。」
親でも親戚でも友達でもなくて、
話したこともない、あの人に。
「私が病気を治すまで頑張れたのは、あの人のおかげだったから…。」
ぴくん、と視界にある有人さんの指が反応したように見えた。