テディベアの彼女
暗くなった部屋の中には、僕と幹斉くん、そして、客間から引っ張り出してきた仕切りの向こうに、綾ちゃんがいた。


「綾ちゃん、」


しばらく待ってみたけれど、僕の問いかけに応える声はなく、綾ちゃんが寝てるのを確信した僕は、意を決して幹斉くんに話しかけた。


「幹斉くん、あのさ」


今から話すことなんて、きっと幹斉くんは知ってるだろうけど。


「話があるんだ。」


幹斉くんに驚いた様子はなかった。
知っててもいい。それでも伝えたい。


「綾ちゃんとは確かに血が繋がってるけど、僕は綾ちゃんが好きで、
できるなら僕がずっと側でまもりたい。」


それが、例えどんな形であっても。


「それでも、綾ちゃんをまもれるのは幹斉くんだけだと思うから。」


だから、
本当はいいたくないけれど。


「だから、綾ちゃんを頼む。」


大好きな綾ちゃん。
ここに2人がいるということはきっと……。

いやな予感がする。
まもれるのは、幹斉くんだけだと思うから。

もぞ、と布団が動く。


「…当たり前だろ。」


照れくさそうな声が小さく聞こえてきて、
なんだかおかしくなって笑ってしまった。
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