テディベアの彼女
良の笑顔をみて、涙が一筋だけ流れた。
ああ、もう潮時なのかもしれない。
いつまでもここにいることは、綾ちゃんもきっと望んでいない。
「幹斉くんのとこ、いってくる。」
「うん。」
部屋をでていく有人さんを見届けて、私はゆっくりと振り返った。
わかってしまった。
私がいつまでもここにいたら、有人さんや幹斉と同じだ。
私も、歩きださなきゃいけない。
御礼を言う相手は、実はもう見つかっていた。
次の日の朝。
「幹斉。」
私は早起きして、幹斉の部屋にきた。
「話があるの。」
幹斉には、話しておかなければならない。
「?」
まだ半分寝ぼけている幹斉がドアをあけて、中に入れてもらった。
「話ってなんだ?」
有人さんと昨日話したからだろうか、昨日より翳りが薄くなっているような気がする。
そう、そうやって少しずつ前に進んでいけばいいんだよ。
「最初にいった、御礼いいたい人……わかったよ。」