テディベアの彼女
一瞬の間。
そして、一気に目覚めたみたいに、目がまん丸に見開かれて。
「まじか。」
さすが幹斉。
お別れをいいにきたのに、思わず吹き出した。
「うん。だからね、確認しにきた。」
「?」
「この術、私が満足したら自然に解けるよね?」
ただの感。
別に当たっても当たらなくてもどうでもよかったけど、なんとなくそんな気がした。
「ああ、そうだな。」
やっぱり。
「そっか、わかった。
……ねえ、幹斉。
短すぎるくらい短い間だったけど、楽しかったよ。
ちゃんと前向いて歩いていってね?
…ありがとう。」
そのまま部屋を出て行こうとした私を慌てて引き止めるように幹斉が名前を呼んだ。
「良(まこと)。」
「!」
ふっ、と
優しく微笑む幹斉に泣きそうになった。
「行ってらっしゃい。」
その場から良の姿が消える。
最後の時が近づくにつれて、霊的な力が強くなってきているのかもしれない。
「…こっちこそ、ありがとうな。」
虚空に向かってつぶやかれた言葉は、誰も受け取ることはなかった。