テディベアの彼女

最後に、ワープしてきたのは、
懐かしい場所。

長い時間を過ごし、
有人さんと出逢った、
さくら病気の屋上。

不思議なことに、今の時間は誰も屋上にいなかった。

空を見上げたら、曇り空を割るように太陽の光が差し込んできた。

思いっきり息を吸えば、海に近いから、潮の香りが微かにした。

前は大嫌いだったこの場所も、今では懐かしい。

いつの間にか青空になってた空を見上げて、思いっきり叫んだ。


「絶対また生まれ変わって、今度は健康な身体で生まれてくるね!」


それまで、どうか幸せに。


「だいすき、」


良の身体がぐらりと後ろに傾いだ。

そのままフェンスに当たるかのように思われたが、良の身体がフェンスに当たることはなく、
いつの間にか半透明になっていた良の身体が、光の粒と変わった。



















きらきら、と光の粒が空に昇っていく。




少女のいた場所には、

一体のテディベアが転がるのみ。
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