赤い月 弍

以前景時の傷にうさぎの唇が触れたことはあるが、それはあくまで治療。

だが今日うさぎが小鞠に触れた行為は、明らかにキス。


「なんか… ほんとにゴメン。
それに、ありがと。
うさぎを庇ってくれて。
でも…
俺のせいでこんなコトになったのに不謹慎だとは思うケド、ぶっちゃけ、小鞠ちゃんの指になりたい。」


「アハハ。高杉くんキモい。
でも、高杉くんのせいじゃナイよ。
あのコたち、前からちょっと気に入らないコトがあると、いつもあんな…」


笑っていたはずの小鞠が、声を詰まらせて俯いた。

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