Diva~見失った瞬間から~
「良い色。カナが選んでくれたのか?」
「あ、まぁ…。」
「サンキュ。」
笑顔の葉月君が眩しい。
どうしよう。何かおかしい。
ここに居るのが恥ずかしいのに、
ここから離れたくない。
マジで何。私おかしい。
「カナ。」
「あ、はい。」
「もう1つ…プレゼントねだって良い?」
「………?」
葉月君の表情は、よく分からない。
微笑みながらも、少し困った顔。
「えっと…
私に出来ることなら大丈夫だよ。」
その顔を見て断る方が難しい。
私がそう答えると、
葉月君は手に持っている
ピアスをテーブルの上に置いた。
そして、私を真っ直ぐ見据えて言った。
「歌ってくれないか?」
その甘く声は、私の鼓膜を振動させた。