Diva~見失った瞬間から~

…………?


「…………へ?」

あ、何か間抜けな声が出てきた。


っていやいや、そうじゃないでしょ。

そんなこと気付く場合じゃないでしょ。


え?葉月君、今何て言った?


「1回で理解しろって言ったろ。

1回で理解が無理なら

俺が今言った言葉を思い出せ。」


「……えっ、と。」

…………………。


ほんの数十秒のことを思い出す。


『俺がカナにだけ優しくするのは、

それは。』

葉月君が理由を教えてくれて。


『カナの事が、好きだから。』

理由を…。


………………………。


「…………………ええっΣ( ̄□||||!?」


「……(理解遅…)…。」


「す、好きって、アレ?

あの、よく有る友達として?ら、like?」

どもりすぎだ私。

自分で言ってて悲しくなる。


「……友達として…って、カナ…。

……これ以上

俺を落ち込ませないでくれ…。」


「え?え?」

落ち込む??

どうゆうこと?


「俺の一世一代の告白を無駄にするな。」

葉月君が今にも溜め息をつきそう。


告白…?

え、告白ってことは……。


「………っ…。」

ようやくその言葉の意味を理解し、

私の頬は一気に真っ赤に染まる。


「…(…やっと分かったか)…。」

どうしよう、どうしよう。


葉月君が

私のことを好いてくれてたなんて。

いつから?私よりも先だろうか。


でも、私のどこに好きになる要素が?


「……葉月君、は…カッコいいよね。」


「…?」


「私…何で葉月君が私なんかのことを

……す、好きになったのか、

分からないよ。」


「……は?」

葉月君の表情が曇る。


だって、気になるよ。

葉月君はカッコいいし、優しいし…

凄く色々なモノを持ってる。


そんな葉月君が…"歌"というモノ以外に

何も持っていない私を好きだなんて、

私にはとても信じがたい。




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