Diva~見失った瞬間から~
「そう言えば葉月も、
歌めっちゃ上手いよな。
お前も歌手とかやってみたら?」
「はぁ?無理に決まってんだろ。
しかもサッカー出来ねぇし。
無理無理。」
「あ、確かに。」
サッカーで納得すんのかよ…。
俺はさっき
女子達が騒いでいた棚に行く。
そして、
山積みのCDから1枚を手に取った。
「ん?葉月買うのか?」
「んー…聴いてみてから決める。」
棚に置かれている
大きなヘッドホンを付ける。
「あ、俺はあっちのCD見てるから。」
「ん。分かった。」
俺はスイッチを押した。
前奏が流れてくる。
第1印象は、爽やかな音楽だった。
『――。』
「……っ……。」
前奏の後、
流れる歌声に俺は息を呑んだ。