君への小さな想いを掲げて *my first love*
「日和のこと、ありがと。ちゃんとお礼言ってなかったから」


「何言ってんの。私は逆にお節介したんだから謝らなきゃいけないのに。」


「そのお節介が利きました。ありがとう」

優くんは私の頭をぐりぐりなでて笑った。
でもそのあとすぐに、疑うような表情で私を覗き込んだ。

「で?なんで車両変えたりして光達のこと、避けてんの」

「べつに日和ちゃんは避けてな」

「じゃあ光は避けてんのね」

「…」

何も言えなくなってしまった。

「どうした?なんかされた?」

「全然。ただ、諦めただけ」

「お前なぁ、軽々しく諦めたとか言うなよ」

「諦めたものは諦めたの!」

ぶっと頬を膨らますと、優くんが小さい子供をあやすかのように私の背中をさすった。


「理由を5秒以内に答えろ」

「やーだ」

「やーだ。じゃねーよ、はい、5、4、3、2」

「…光くんには想ってる人がいるから。」









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