恋はいっぽから!
案外素直に……職員室へとやってきた三船。
不機嫌そうな顔。
俺が好意で差し出した菓子も……、
そう簡単には受け取らない。
少し……面倒臭い奴だけど。
多分……、関わり方一つで変わってくる。
「…誰もお前の顔見てあげようって思った訳じゃねえよ?真面目に旨いからさ、だからあげたってだけで。」
「…………は?」
「それに。寝てりゃあ注意するのはトーゼン。どっちが悪いのか、そのカタ~い頭でよっっく考えろ。」
手にしていたお菓子、残り半分を…
三船の口に当てた。
「……これを食べれば、頭やわらかくなるぞ?…でもって、成績も鰻のぼり。……そう思って食べると…、癖になる味だ。」
彼女は半信半疑な顔つきをしていたけれど、
どうやら……、
気にはなるらしい。
パクリ、と。
それを口に入れた。
そう……、
わかりづらいだけで、
「……かわいーとこあんじゃん?」
実は、可愛くてしかたない部分が……
見え隠れしている。
「……やめてください。髪が乱れます。」
ついつい、三船の髪をぐしゃぐしゃに撫でる俺を、彼女は恨めしそうに睨む。