オレンジ

俺の心の中でずっと、今なお燻り続けるその想いは、後悔と言っていい。

ミナミが1番辛かった時に支えてやれなかった俺は、捨てられても当然だった。
実際、その時に支えてくれた相手と、ミナミは一緒になったのだ。

その自責の念に押し潰されそうだった俺は、ミナミの行為を「裏切り」だと言い聞かせることで、逃げた。
自分を責めるよりも、ミナミを責め、恨む方が、苦しみはいくらか少なく済むと思ったのだ。


ミナミからの連絡を、俺が甘んじて受け入れているのは、他でもない。

「今ここで、ミナミを支えてやることができれば、あの時の罪滅ぼしができるのではないか」


そんなふうに、思ってしまった。
そうしたらもう、自分を責めることもなくなるのではないかと。

煙草をふかしながら、ミナミを見た。
するとミナミも、縋るような目で俺を見る。
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