誰も信じない
私があなたを見つけた。

あなたはびっくりとしていて、でもすっごく嬉しそうな顔で私を見ていた。



途端に封印していた気持ちが溢れてきた。



そう、私はずっと気持ちに封印していたの。

自分ではわかっていたの。

好きな気持ちは、コントロールなんてできやしないって。



でもあの時の私は、封印するしか方法がわからなかった。

とにかく逃げることしか、頭になかったの。



まさか、また会えるとは思ってもみなかった。



「美穂!」



あなたは最高の笑顔で、私の名前を呼んだ。

お弁当がポロッと落ちたのにも気づかず、私は溢れ出てくる涙を抑えきれずにいた。










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