淡夢【短編集】
あれから3週間後……
サナは僕の家に来ることが少なくなっていき、急にサナは入院することになった。
僕は当然、サナが入院している病院に向かった。
久々に走った……
僕がサナの病院に行くと、サナの担当の医師が近付いてきた。
「あなたはサナさんのご親族の方ですか?」
僕にとってそんな問いはどうでもいい……
とにかくサナに会わせてほしい。
僕がどれだけ走り疲れているか……
見れば分かるだろ?
僕は疲れているんだよ……
「僕はサナの親族ではない。彼女には親はいない」
望む答えは手に入ったんだろ?
早くサナに会わせてくれ……
「そうですか……仕方がありません。それでは、あなたにお話しましょう……」
医師は何やら深刻そうな表情だ。
僕はそんなことはどうでも―――
「サナさんの病状は深刻です……」
「………え……?」
「サナさんの病気はこの土地にだけ流行る疫病です。手術には多額の治療費がかかり、たとえ手術できても治る確率も極めて低い……」
この男は何が言いたい……?
はっきり言って欲しい……
「サナさんのご命は―――」
いや……
やはり聞きたくない……
「もう長くはない……」