美容師男子×美麗女子



数十分して、アキラの家についた。

予想を裏切らない、豪華なマンションだった。

外装がきれいで、高級感漂うし、仮にも高校生がこんなところに住んでるんだって思うと、頭が痛くなった。


「どうぞ」


エレベーターで上がって、アキラがあたしをエスコートする。

こいつは、家の前で何をやっているんだろう。


靴を脱いで、アキラの家に入る。

アキラの香水の匂いが鼻をくすぐった。


「そこ座ってて」


アキラはジャケットを脱ぐと、ソファにかけた。

恐る恐るソファに腰掛ける。

あまりにも現実味がなさすぎて、緊張する。

部屋は広いし、案外きれいなことに不信感を抱いてしまう。


「え、何それ」

「酒」


アキラは悪びれも無い顔で、2本のボトルを机に置いた。


「あたし、未成年だって」

「何言ってんだよ、飲んでるくせに」

「いや、仕事は仕方ないじゃん」

「一緒一緒」


アキラはグラスにワインを注いだ。


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