出会いの海岸
サンタ「なんや、いったいどういうことや」
美幸「全然、覚えてないんだ」
サンタ「まあな」
美幸「本当に大変だったんだよ。もう救急救命みたいで、なんとか一命を取り留めることができたの」
サンタ「アホいうな。お前が殴ったところまでは見てたわ」
美幸「なんだ。覚えてるんだ」
サンタ「そこまではな。だいたいここはどこや」
美幸「海よ」
サンタ「そんなん、分かるわ。どこの海だっていってんだよ」
美幸「ここは鹿島よ」
サンタ「鹿島って、茨城のか」
美幸「そうよ。ここは出会いの海岸なの」
サンタ「なんや、それは」
美幸「会いたい人に会えるっていう海岸よ」
サンタ「そんな、お前、自分らだけでくればいいやないか。なんで俺がこんなところに来なくちゃなんないんだよ」
美幸「それはたまたま見かけたから」
サンタ「ふざけるな。これは犯罪やぞ」
美幸「やっぱり」
サンタ「なにがやっぱりだ。だいたいお前ら高校生だろう。免許も持ってないやろ」
美幸「大丈夫よ。無免許でも運転はうまいんだから」
サンタ「そういう問題か。それと、なんや君らは」
有香「ええ、私達。ここにこいっていわれたから、今さっききたばかり」
サンタ「うそつくな。ぐるやな。しょうもないやつらやな。そっちのかわいらしい子は、どうしたんや」
涼子「私は、巻き込まれただけ。いいから乗りなさいって」
サンタ「何やってるんや、きちんと断れ」
涼子「ごめんなさい」
サンタ「それで、どうした」
美幸「なにが」
サンタ「俺の携帯」
美幸「ああ、はいこれ」
サンタ「おお。、、なんや、これ使えへんやないか」
美幸「ごめんなさい。電池抜いてある」
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