青のキセキ
佐山さんとお喋りしながら歩く。

森林公園の中を流れる川岸にキャンプ広場と併設されているバーベキュー広場が近付くにつれ、動悸が激しくなってくる。


どうしよう、どうしよう。


胸が痛くて。心が痛くて。





「美空ちゃ~ん!こっち、こっち」

前方で石川さんが大きな声で私を呼ぶ声が聞こえた。

声をする方を見ると、手招きしている石川さんの姿を見ることができた。

石川さんの周りには、5~6人の人の姿。





「!」



ドクン!!







視線の先に、課長の後姿。



きっと、あれは課長だ。間違いない。



その横に見たことの無い女性の姿。
課長よりも少し背が低くて、ショートカットの女性。


綾さんだ....。





まだ顔をはっきりと見たわけでもなく、課長と仲良くしている場面をみたわけでもないのに、綾さんがそこにいるという現実だけで、涙が出てきそうになる。

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