青のキセキ
胸の鼓動は加速するばかり。
もっと課長に触れたい。
触れられたい。
課長と手を繋いで、知らない街を歩いているという現実が、ほろ酔いの私を更に酔わせる。
気持ちが溢れて、人前じゃなければ、抱きついてしまいそう。
「美空?酔ってるのか?ホテルに戻ったらゆっくり休め」
確かに酔ってる。
でも、この気持ちは本物。
ホテルに到着。
フロントでカギをもらい、エレベーターの乗る。
「大丈夫か?」
私の顔を見て、課長が心配そうな表情を見せる。
課長と二人の空間が心地よくて。でも、ドキドキが止まらなくて、顔が熱い。
きっと。
今、私の顔はゆでたこのように真っ赤に違いない。
エレベーターが私たちが宿泊する部屋のフロアに到着。
課長に肩を支えられ、部屋の前まで歩く。
――――私の部屋の前。
課長がカードキーでロックを外し、ドアを開けてくれた。
「ほら、開いたぞ。明日は7時半ごろ一緒に朝食とろう。迎えに来るよ」
そう言って、課長が部屋に戻ろうとした。
「課長...。もう少し、一緒に居たいです」
課長の背中に頭を当てる。