青のキセキ
服を着替え、携帯をもう一度見る。


1通目と2通目のメール。


『家に着いたら連絡してくれ』

『今、どこにいる?』


1通目は葬儀会場を出て10分後、2通目はそれから2時間後。

きっと、私が家に着く頃になっても連絡がなかったから、心配してくれたんだ。





たったそれだけのことが、こんなにも嬉しい。






ううん、違う。それだけじゃない。


安心したんだ。


私のことを想ってくれているということを、きちんと確認できたから。



課長が綾さんの元へ帰ってから、ずっと不安だった私の心に明かりが差し込む。





ずっと不安で暗闇の中を彷徨っていた私に光が灯る。




過去のトラウマから救い出してくれたのも課長だった。



私にとって、課長は――――




――――かけがえのない、『光』――――。




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