青のキセキ
しばらく泣きじゃくった後、そのまま凭れるようにして眠ってしまった美空を起こさないように、そっとベッドに運ぶ。
ベッドに横たわらせた彼女の頭を撫でながら、寝顔を見つめる。
頬に残る涙の跡が俺の罪悪感を加速させる。
美空を守ると決めたのに、結局苦しめることしか出来ないのか。
どうすれば、美空を守ってやれるのか。
拳を握りしめ、項垂れる俺。
もう...限界だ。
もう一度、美空を見る。
スースーと寝息を立てて眠る彼女の姿をみて、ホッとした自分がいた。
眠れないだろう夜を過ごしていた筈だから、このまま朝までゆっくりと寝てくれたらいい...そう思った。
そして、彼女の唇に触れるだけのキスをして部屋を出た俺は、その足で『翔』へ向かった。